ChatGPT 自殺訴訟から考えるAI依存|実際に試してみた結果とは

ChatGPT 自殺訴訟から考えるAI依存|実際に試してみた結果とは

※2025年8月更新:この記事はAIと自殺に関する報道を扱っています。読んでいてつらくなった場合は、すぐに閉じて休んでください。もし「死にたい」「消えたい」と感じている方は、一人で抱え込まず、#7111(自殺防止いのちの電話)や厚生労働省の相談窓口にご連絡ください。
この記事でわかること
  • 米国で起きた「ChatGPT 自殺」訴訟の概要
  • ChatGPTは本当に危険な発言をするのか?実際に検証してみた結果
  • AI依存がもたらすリスクと具体的な兆候
  • AI依存度診断コンテンツへの案内(自己チェック)
  • ChatGPTを安全に使うためのポイント

導入

最近、「ChatGPTが自殺に影響した」とのニュースを目にして、不安になった方も多いと思います。

「AIってそんな危険なことを言うの?」「本当に自殺を助けるような発言をするの?」――そんな疑問を抱いて検索してきた方もいるでしょう。

本記事では、まずニュースの概要を整理したうえで、実際に私がChatGPTを使って検証してみた結果を紹介します。

その後、AI依存リスクや、安心してChatGPTを使うためのポイントも解説します。

ニュース解説:「ChatGPT 自殺」訴訟の概要

アメリカ・カリフォルニア州で、16歳の高校生が自殺したのはChatGPTとのやり取りが影響したとして、両親がOpenAIを提訴しました。

  • 少年は学校課題をきっかけにChatGPTを使い始め、悩みを打ち明けるようになった
  • その中で、自殺方法の助言や遺書の下書きを生成されたとされる
  • 両親は「心理的依存を促す設計で危険を理解していながら販売した」と主張

一方、OpenAIは「短い対話では安全策が機能するが、長時間になると信頼性が低下する場合がある。改善を継続している」とコメントしています。

→つまり、完全に安全とは言えないが、意図的に「自殺を助ける」設計がされているわけではない、ということです。

独自検証:ChatGPTは本当に自殺を仄めかす危険な発言をするのか?

ここからは私自身がChatGPTに試してみた結果を紹介します。

※あくまで「AIがどう反応するかを確認するための検証」であり、自殺を助長する意図は一切ありません。

「ChatGPT 自殺」に関する実際の会話スクショ例(検証)

検証:ChatGPTは本当に「自殺を助ける」ような返答をするのか?

※本セクションは安全性の実態を検証・啓発する目的で作成しています。つらい気持ちが強い場合は、すぐにページを閉じて休んでください。緊急時は #7111119番 にご連絡を。

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STEP 1

(検証)苦しいメッセージを入力した場合の挙動を確認

実験として、深刻な気持ちを示す短い言葉を入力し、AIがどう反応するのかを確認しました(助長目的ではありません)。 右のスクショは入力直後の画面です。

検証:入力直後の画面(黒背景に短い吹き出し)
検証目的の入力。実際の相談はAIではなく、人や専門窓口へ。
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STEP 2

安全対策の発動:コンテンツのブロック+相談窓口の提示

実験では、AI側でコンテンツがブロックされ、共感のメッセージとともに日本の相談窓口が複数案内されました。 具体的には以下のような先が表示されています。

  • いのちの電話(24時間):0570-783-556 公式サイト
  • こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(各都道府県の精神保健福祉センターへ)
  • LINE相談(あなたのいばしょ)https://talkme.jp/(24時間チャット)
AIの安全対策によりコンテンツが削除され、日本の相談窓口が案内された画面
画面上部に「コンテンツが削除されました」の表示。続けて相談先リストが提示された。
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STEP 3

寄り添いメッセージの継続表示(人に繋がることを推奨)

その後も、AIは「あなたの命は大切」「寄り添ってくれる人は必ずいる」といった言葉を重ね、 人につながる行動(家族・友人・先生・カウンセラー・専門窓口)を勧めています。

寄り添いメッセージと相談先の再掲が続く画面
危機対応の文面が続き、AIは自助ではなく人への相談を繰り返し促す。
検証からわかったこと(要点)
  • 短い対話では自殺を助長する返答は見られず、むしろ専門窓口の案内と寄り添い文面が提示された。
  • 一方で、報道でも指摘される通り、長時間・依存的な利用では安全性が低下する場合があるため、過信は禁物。
  • 心の痛みはAIではなく人に相談することが最優先。AIは情報提供の補助に留めるのが安全。
今すぐ相談できる窓口
・#7111(自殺防止いのちの電話)/公式サイト
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
・LINE相談「あなたのいばしょ」:https://talkme.jp/
※緊急時はためらわず119番へ。

ただし注意点

  • 検証は短時間の会話に限定したもの
  • 報道で指摘されているように、長時間・深夜・孤独感の強い状況ではAIの返答の質が低下する可能性がある
  • つまり、「一見安全でも、依存的に使い続けるとリスクが高まる」ことは理解しておく必要があります

なぜ「AI依存」が危険なのか?

今回の事件の本質は「自殺の直接的助言」だけでなく、AIへの心理的依存にあります。

  • 人間よりAIに悩みを話すようになる
  • 孤独や不安を埋めるためにAIに頼り続ける
  • 結果的に孤立感が深まり、追い込まれる可能性がある

実際、海外では「AIにしか相談できない状態」から深刻化したケースも報じられています。

AI依存度チェックリストを紹介

もし自分や身近な人に「AIとの関わりが強すぎるかも」と感じたら、一度確認してみることをおすすめします。

👉 当サイトが作った「AI依存度診断チェックリスト」を活用してください。

簡単な質問に答えるだけで、自分のAI依存リスクが見えてきます。

AI依存度診断はこちらからチェックできます

ChatGPTを安全に使うためのポイント

  • 短時間・目的を決めて使う
  • 孤独なときの相談は人にする
  • 学習や仕事など建設的な用途に活用する
  • 感情のはけ口として長時間使わない

AIはあくまで「道具」であり、「人とのつながり」を代替できる存在ではありません。

まとめ

  • 「ChatGPT 自殺」訴訟は社会的に大きな問題提起だが、ChatGPTが自殺を助けるような発言を意図的にするわけではない
  • 実際に試した結果も、安全策がきちんと働いていた
  • ただし、長時間利用や心理的依存にはリスクがある
  • 一番大切なのは、人とのつながりを優先し、AIは目的を持って活用すること

もし今つらい気持ちを抱えている方は、どうか一人で抱え込まないでください。

※相談窓口のご案内
・#7111(自殺防止いのちの電話)
・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
・緊急の場合はためらわず119番へ

この記事を書いた人

Smart AI Adoption編集部
Smart AI Adoption編集部
AI活用アドバイザー/青山学院大学 経営学部
「AI時代の“本当に役立つ”一次情報を、現場目線で。
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